大阪モノレール 大阪空港駅に大型ステンドグラス『生命の旅』誕生
株式会社エヌケービーは、大阪モノレール株式会社の協力のもと、一般財団法人日本宝くじ協会の「社会貢献広報事業」の助成を受け、大阪モノレール 大阪空港駅の改札外エントランスに大型ステンドグラス『生命の旅』を製作し設置しました。
2025年開催の大阪・関西万博に向けた地域の活性化や賑わいをもたらす新たなシンボルとして設置した本作品は、地元ゆかりの現代美術作家のヤノベケンジ氏が原画・監修を務め、約2カ月かけてオリジナルの原画を描き下ろしました。その原画をもとに、静岡県熱海市にあるクレアーレ熱海ゆがわら工房で、7人のステンドグラス職人によって製作しました。
縦2.18メートル、横12.38メートルにもわたる大型のステンドグラスは、全52色2,032ピースにおよぶ手吹きのアンティークグラスで構成されています。多くのキャラクターが登場しているので遠近感を意識して製作しています。背景には透明感のあるガラスを使用し、キャラクターには不透明なガラスを使用しています。不透明なガラスの中には、あえて透明なガラスに研磨剤を吹き付けるなどして(サンドブラスト)ガラスの表面をすりガラス状にしたものもあり、それがさらに奥行きを与えています。キャラクターの輪郭線にもこだわり、太く描くキャラクターとそうでないキャラクターを描き分けています。遠近感を表現しづらいステンドグラスでのチャレンジでした。また大きく描かれているキャラクターの目は、ガラスを重ねて溶かして熔着させて立体的にし、存在感のある目を演出しています。さらに、透明感のあるガラスを背景に使用していることで、降り注ぐ自然光が多く取り入れられ、床への反射を大きくし、行き交う人の目を楽しませます。
◆作品について
題名 :生命の旅
原画・監修:ヤノベケンジ(現代美術作家)
設置場所 :大阪モノレール「大阪空港駅」改札外 エントランス
規模 :縦 約2.18m・横 約12.38m
◆ヤノベケンジ氏プロフィール
1965年生まれ 大阪府出身
1990年、隔離タンクの中で瞑想する体験型の作品《タンキング・マシーン》でデビュー。「現代社会におけるサヴァイヴァル」をテーマに機械彫刻を制作。ユーモラスな形態に社会的メッセージを込めた作品群で、国内外で評価される。2011 年、東日本大震災後、希望のモニュメント《サン・チャイルド》を制作し、国内外で巡回。2017年、福を運ぶ旅の守り神《SHIP’S CAT》シリーズの制作を開始し、2021 年、大阪中之島美術館に《SHIP’S CAT (Muse)》が恒久設置される。創作の原点は幼少期に大阪万博会場が解体されていく現場「未来の廃墟」で遊んだこと。美術の起源や存在意義を問い、環境と相互作用をもたらす作品を制作している。