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地元ゆかりのアーティスト 天津 恵氏の遺作をリクリエイト
世代を超えて息づく唯一無二の色彩が蘇る 

あおなみ線 金城ふ頭駅に陶板レリーフ『太陽と羽ばたく港まち』誕生

  • 太陽と羽ばたく港まち
  • 製作風景

 株式会社エヌケービーは、名古屋臨海高速鉄道株式会社のご協力のもと、一般財団法人日本宝くじ協会の「社会貢献広報事業」の助成を受け、あおなみ線の金城ふ頭駅改札内に陶板レリーフによるパブリックアートを設置しました。

 陶板レリーフの原画は、地元ゆかりのアーティストで「色の魔術師」と称され、国際画家として活躍した故・天津 恵氏のアトリエで保管されている遺作をもとに制作したものです。天津氏の作品に見られる太陽や街並みなどのモチーフが赤や黄色を基調としたダイナミックな配色で彩られています。また、名古屋港の金城ふ頭から広がる外海を泳ぐ「さかな」や、渡り鳥の経由地となる干潟を象徴する「とり」が組み合わさり、金城ふ頭の未来へのエネルギッシュな発展を表現しています。

 本作品の魅力は、天津氏ならではの色彩の豊かさが、造形技術と釉薬の繊細な表現によって巧みに、そして丁寧に引き出されている点です。

 作品は、職人がよく練り合わせた粘土を踏み、一枚の粘土板のようにしてから形作られています。完成した粘土板は248ピースに切り分けられ、素焼き、施釉(せゆう)、本焼成を経て完成します。色彩や風合いを最大限に引き出すために、切り方はモチーフをなぞったカットではなく、意図的にずらしてカットすることで、釉薬のにじみや色のまだら模様が生まれ、豊かな表情に仕上がっています。また、原画で表現されている建物やモチーフを形作る四角に微妙な高低差をつけたり、あらかじめ表面にテクスチャーを加えているので、釉薬の溜まりができ、自然な陰影が現れて、色彩に奥行きや深みが加わっています。

 釉薬は約30種類を使用し、赤や黄色を基調に鮮やかな色彩を表現しています。特に、原画の黄色を再現するために、緑色を塗ってから黄色を重ねることで、趣のある黄色に仕上げています。

 陶板レリーフは改札内に設置するため、通行の妨げにならないようにボリュームを抑えつつ、平面的でありながら立体感を持たせる工夫が施されています。特に中央に位置する白い格子部分は、線を一本一本浮き上がらせて立体感を生み出しています。

 「太陽と羽ばたく港まち」を通じて、金城ふ頭駅を訪れる人々の心がはずみ、界隈の魅力がより一層高まることを期待しています。また、訪れるたびに新たな発見や感動があり、地域に活気をもたらす作品となることを願っています。

 本作品は、日本交通文化協会による561番目のパブリックアートとして企画しました。天津氏の原画をもとに、クレアーレ熱海ゆがわら工房の職人が陶板レリーフの原画を制作し、製作まで手がけました。


◆作品について
題名   :太陽と羽ばたく港まち
原画   :天津 恵(アーティスト)
設置場所 :名古屋臨海高速鉄道あおなみ線「金城ふ頭駅」改札内
規模   :縦 2.8m・横 5.5m


◆天津 恵氏プロフィール
1945年生まれ 愛知県名古屋市出身
愛知県名古屋市で生誕。常盤女学院を卒業し、中央美術学園を修了。20代半ば、結婚を機に故郷の名古屋市を離れ、島根県に移住。自然や環境、宇宙をテーマにした数々のパブリックアートを手がける。また日本だけでなく、欧米諸国のさまざまな展覧会に絵画を出品し「色の魔術師」と絶賛され、国際画家として活躍。アメリカの企業とライセンス契約し作品の製品化・商品化、パリの国立グラン・パレ美術館に絵画が収蔵される。

◼︎クレアーレ熱海ゆがわら工房について

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